予防接種とは
当院は、成人を対象にした予防接種(ワクチン接種)として、インフルエンザと肺炎球菌ワクチンの予防接種を行っています。そもそもワクチンとは、ある感染症の病原体(ウイルス、細菌 など)の病原性を無力化(無毒化)、あるいは極限まで弱めた薬剤のことをいいます。ワクチンを体内に注入することで、その感染症に罹患しなくてもそれに対する免疫がつけられ、のちに感染したとしても発症しにくい、あるいは発症しても重症化するリスクが低減されるというものです。
このようにワクチン接種は、個人の身を守るという点において有効ですが、さらに予防接種を受けることができない方への感染リスク(市中感染)を減らすという社会的な意義も持ち合わせています。
当院で受けられる成人向けの予防接種
インフルエンザワクチン
インフルエンザの予防対策には、手洗い、うがい、マスクの着用など様々ありますが、その中でも有効性が高いとされているのがインフルエンザワクチンの接種です。
ただ同ワクチンは1回の接種による効果持続期間が約5ヵ月とされているので、接種時期も大切です。多くの自治体では毎年10月頃から接種が開始され、インフルエンザの流行のピークは翌1月~3月頃と言われています。そのため、可能な限りワクチン効果を高めたいという場合は、遅くとも12月中旬までには受けるようにしてください(接種後に効力が現れるまでは2週間程度必要です)。
ちなみに65歳以上の高齢者や基礎疾患をお持ちの方というのは、インフルエンザに罹患すると重症化しやすいとも言われていますので、できるだけインフルエンザワクチンの接種を受けることをお勧めします。なお接種を受けた後も手洗い、うがい、マスクの着用などの予防対策は怠らないようにしてください。
肺炎球菌ワクチン
一口に肺炎と言いましても細菌やウイルスといった病原体のほか、薬剤やアレルギーなどが原因で引き起こされることがあります。肺炎の発症原因は数多くありますが、その中でも成人が発症する肺炎の多くは、肺炎球菌の感染によると言われています。また肺炎という病気は日本人の死因の第5位に挙げられていますが、亡くなる方の大半が65歳以上の高齢者となっています。
このようなことから、高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は現在定期接種となっており、各自治体で接種の一部費用を助成しています。なお、助成の対象はすべての高齢者としていませんので、詳細につきましてはお住いの自治体の公式ホームページなどをご覧ください。
ちなみに肺炎球菌ワクチンの定期接種の対象とならない方でも、ご本人の意思で接種を受けること自体は可能です(費用は全額自己負担となります)。ワクチンの効果持続期間はおよそ5年間といわれています。