【禁煙外来は現在休止中です】

禁煙外来とは

禁煙外来のイメージ

喫煙中の方で、禁煙をしたいと考えている方を対象とした外来になります。タバコを辞めるか辞めないかは本人の意思次第と思う方もいるかもしれませんが、タバコに含まれるニコチンという成分にはタバコへの依存性を高める作用があることから、本人の意志だけでは辞めるのがなかなか困難で、このような場合は医療機関での治療が必要です。

ちなみに医療機関での禁煙治療については、初回の診察時に医師が一定の条件を満たしていると判断すれば、保険診療での治療が適用されます。また診察の結果、保険診療の適用外と判定された場合でも、費用は全額自己負担となりますが、同様の治療を受けられます。なお保険診療が適用される条件とは、次のようなものになります。

  • 今すぐにでも禁煙したいという意志がある
  • 問診票でニコチン依存症と診断された
  • 35歳以上の喫煙者で、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
    ※34歳以下の喫煙者に対しては喫煙本数と喫煙年数による条件はなし
  • 禁煙治療を受けることに対して文書にて同意している

治療期間は12週間が基本

診察の結果、禁煙が必要と医師から診断されると保険適用の有無にかかわらず禁煙補助薬による治療の開始となります。治療期間は12週間が基本で、その間は1~2週間ごと計4~5回程度通院して頂きます。費用に関しては、保険適用の患者さんで15,000円弱です。

ニコチンパッチとバレニクリン

治療を開始するにあたって、まずニコチン依存度の判定をし、必要な場合は禁煙治療薬を処方します。治療期間中は、診察時に禁煙に対する心構えなどのアドバイスも医師から受けられます。通院間隔については、基本的に初めの3回までが2週間に1回、それ以降は4週間に1回の間隔になります。その際は呼気一酸化炭素濃度の測定をします(通院の都度行います)。外来受診時はご自身の体調などについてもご報告ください。禁煙に伴う様々な体調の変化(お薬の副作用として見られる嘔気や眠気、気分の落ち込み、湿疹、過食など多岐に渡ります)についてお聞きし、必要があれば不調軽減のためのお薬を追加処方します。
禁煙補助薬については、患者さんとご相談のうえ飲み薬の治療:バレニクリン(商品名:チャンピックス)、もしくは貼り薬の治療:ニコチンパッチ(商品名:ニコチネルTTS)を処方します。

ニコチンパッチ

ニコチンパッチは、ニコチンの成分が含まれた貼付薬のことです。喫煙者は、ニコチンが切れると禁断症状(イライラ感、落ち着きがない など)を起こします。このような場合、ニコチンパッチによって皮膚からニコチンを吸収させることで症状が落ち着くようになります。治療法としては、この貼付薬に含まれるニコチンの含有量を徐々に減らしていき、最終的には何も貼らない状態にします(貼付期間は8週間程度で、残りの期間はパッチなしで禁煙治療を続けます)。使用方法としては起床後に貼付し、眠りにつく前に外します。毎回同じ箇所に貼付すると皮膚がかぶれることがありますので、毎回ずらすようにして貼ってください。

バレニクリン(チャンピックス)

バレニクリンは経口タイプの治療薬ですが、ニコチン成分は含まれていません。ただニコチンが体内で切れたとしても、このお薬にはニコチンと同様にドパミンを放出する作用があるため、イライラなどの症状は抑えられます。

このお薬は服用を開始して1週間は喫煙しながらの併用となります。ただタバコを吸っていてもおいしいと感じなくなるので、8日目を待たずに禁煙してしまう方も少なくないです。禁煙後も同様にお薬を服用します。もう服用しなくても喫煙することはないと思っていても、治療期間中(12週間)は飲み続けるようにします。

ちなみにバレクリニンによる副作用として、頭痛や吐き気、めまい、便秘、眠気といった症状がみられるほか、うつ病の患者さんが服用するとさらにうつの症状を悪化させることがありますので、かかりつけ医師と相談の上服用の可否を決定します。